どにの将国もえがたり vol.2

【ご注意】
単行本未収録分の
ネタバレがちょこちょこあるよ!















シリウス4月号のあの殺戮モードのマフ君にシビれました! 
鳥肌立つくらい格好良かった! 
「初めから相手にしていない」って、あの目で見下されたい……!(病気)

私の中で一番侮れないのがアビリガさんなのです。
普段ニコニコしてるのに結構突いてくるところが的確で、怖い人だなぁと。

6巻でアビリガとマフ君がスルタン・セリムに会う直前の会話。

「機会があれば将王セリムを殺しても……?」

「……それも悪くないですね」

この辺の雰囲気がとても好きです。あのタイミングでこの台詞を吐いたアビリガさんもすごいけど、「悪くない」と言ったマフ君もすごいなあと。 

アビリガさんは、とにかく身体能力高いですよね! 更に場慣れしているし、人体の急所は全部知っていそう。服の中は暗器だらけだし! 「どこからその武器出したの!?」って吃驚するよ!
ぜひ登場人物の年齢とかプロフィールを知りたいのですが、勝手に計算したらマフ君が17歳くらいで、アビリガさんが28歳くらいだった。
うわ……この年齢差って……すごくもえませんか!? 
さらに体格差に加え、年上が年下を「ご主人様」呼ばわりし、でも呼ばれた方は「さん」づけで呼び返し……こんな素敵な関係に悶えてしまうのは、私だけでしょうか!


そもそもこの作品のすごいところって、主人公がある目的のために障害を取り除く手段として『暗殺』を選ぶところじゃないかな。
普通の少年漫画主人公で敵をやっつけるのに「じゃあ、暗殺しましょう」っていうのはないですから(笑)。で
も、なぜそうする必要があるのか、限られた時間と動かせる兵でできる最善策を探したら、「暗殺」という手段もあったと。選択肢の一つとして「暗殺」という手段を排除しない考え方は実に合理的だけど、君主としては褒められたやり方じゃないですよね。マフ君は別に君主になることを目指しているわけではないので、それはいいんですが。まあ、だから民衆の意識操作のためのお芝居を組むだとか、いろいろ考えるわけですが、とにかくそういう話の流れが、「きれい事だけじゃ世の中かわらないんだよ。でも民衆はきれいごとが好きなんだよ」という現実が垣間見えて面白いです。
とにかく6巻は、世間知らずな甘ちゃん元将軍というイメージから脱却したマフ君が見られてすごくわくわくした巻でした。

単行本にはまだ未収録ですが、7巻に収録されるであろうクルチュ攻防戦では、マフ君の必死さがひしひしと……。
「我々だけで状況を打開できなければ、誰も助けてくれないんです!」
切なくなってくるような叫び。
慟哭。
トゥグリル村のようにはさせないというマフ君の想いが伝わってきて痛いほどだった。
暗殺という手段もとにかく必死だったからなのか……と妙に腑に落ちたり。でも後継者全員が兄弟殺しとか父殺しって……大丈夫なのかなぁ。遊牧民族の国家では、こういう風習はそれほど忌避されていないのかも知れないけど……。国や民族が変われば価値観も変わるので、何とも言えませんね。

返り血を浴びるマフ君が、きれいで、かっこよくて、ちょっとおっかなくて、でも危なっかしいくて萌えたし惚れ直したよ!

―――という感じで、つらつらと戯言を書き連ねてしまいました。
ここまでおつき合いくださった皆様ありがとうございました。
またどこかでお会いしましょう!

2010.5.3 



back